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KAJA & JAMMIN'
皆さんがKAJAのことを書いてくれた文章です
Kajaがわずか20席ほどの狭小なバーや手作りの仮設会場にまでギターを持って出かけるのには理由がある。 ひとつは彼の驕りのない人柄だ。華々しくデビューを飾ったのにも関わらず、最も重要視するものは音楽を通して分かち合えるか、 といったスピリチュアルな世界が基本にあることだ。かといって麻薬や酒に溺れていくような破滅的なネガティヴラインではない。
Kajaはいつもポジティヴライン、つまり人間としての喜怒哀楽を許していくことにある。それが職種を問わず、 より一般社会に近いところで波紋を呼び続けている理由である。
多い時期、年間300本以上のライヴをこなし、現在でも200本以上の数。 同年代のミュージシャンたちは商業ベースに乗っていく中、彼はまたもや独自の活動に力を注ぐ。
数百人も相手にするホールよりも100名以内の飲食店などでライヴに専念するもうひとつの理由は、より人々の心に響き渡るための臨場感にある。 コンピュータを駆使し継ぎ接ぎで出来上がるファーストフードのような音楽ではなく、100%手作りの味をそのままダイレクトに伝えることにある。
狭小な場所では客の1メートル手前でギターさばきと声紋を焼き付けることになる。 弦とネックの間で起こる微音も、靴で床をリズム打つタップ音もすべてだ。昨今の化学調味料で育った世代にはあまりに斬新で衝撃的な体験である。
「踊らなきゃ、格好つけなきゃって、そんな強迫観念が起こらない。
Kajaの歌を聴いていると普段の自分が甦ってくる」
と多くの若者たちが慣れない安堵感の虜になっている。その証拠にKajaのライヴはひとつの場所で必ず定期的に開催されることになる。 ひと月に一度、またはふた月に一度のペースが最も多い。
作り上げられたデジタルサウンドよりも、一期一会とも言うべく、一生に二度とない出会いのアナログサウンド。 これほど観客の目前で、等身大のありのままの姿を見せるアーティストが日本にいったい何人いるだろうか?
Kajaのソロライヴは1時間のステージを2本というスタイルが殆どだ。 曲目はオリジナルをはじめボヴ・マーレイ、ドアーズなどのカヴァーも定番。同じ曲や構成を何度体験しても感じ方は必ず違う。 音楽は料理のような生き物であることを彼は教えてくれる。
そして、時代や利権に左右されることなく、20年近くもこれをやり続けているところが、 真のプロフェッショナルを感じさせる所以ではなかろうか。
スパイス料理研究家/ちいさなファーマ―
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